徳川慶喜は将軍になりたくなかった!? 江戸幕府ラスト将軍の葛藤

徳川慶喜 幕末

要約

徳川幕府最後の将軍となった徳川慶喜は、実は当初「将軍になる気がなかった」とされています。聡明で政治にも通じていた慶喜がなぜその座を望まなかったのか?そこには幕府の衰退や政治の混乱、さらには自らの立場を冷静に見つめる姿勢がありました。この記事では、彼の本音と幕末の政局を会話形式で紐解きます。

ミホとケンの対話

ミホ
ミホ

ケン、徳川慶喜って知ってる?

ケン
ケン

あー、最後の将軍でしょ?でもあんまり目立たないよね?

ミホ
ミホ

そうそう。でも実はあの人、将軍になりたくなかったんだよ

ケン
ケン

えっ!? なんで!? 将軍って超すごいポジションじゃん!

ミホ
ミホ

そう思うよね。でも当時の幕府ってもうボロボロで…責任が重すぎたの

ケン
ケン

なるほど…火中の栗を拾いたくなかったってやつ?

ミホ
ミホ

まさにそれ!慶喜はめちゃくちゃ頭良かったし、状況もわかってたの

ケン
ケン

じゃあなんで最終的に将軍になっちゃったの?

ミホ
ミホ

周囲の圧力が強かったのと、自分が引き受けなきゃ幕府がもっと混乱するって判断したから

ケン
ケン

責任感あるんだなぁ…

ミホ
ミホ

実際、将軍になってからも“早く政権を返した方が日本のため”って思ってたの

ケン
ケン

えっ、自分から政権返しちゃったの!?

ミホ
ミホ

うん、それが『大政奉還』ってやつ。自分から朝廷に政治の権限を戻したの

ケン
ケン

なんか…潔いね

ミホ
ミホ

でしょ?その判断が、のちの明治維新に繋がっていくんだよ

ケン
ケン

そっか…でもその後って慶喜どうしてたの?

ミホ
ミホ

静岡でひっそり暮らしてたよ。政治からも手を引いて

ケン
ケン

幕末のラスボスかと思いきや、実は平和主義者だったのかも?

ミホ
ミホ

そんな感じだね。自分の立場もちゃんと考えて動ける、冷静な人だったの

ケン
ケン

めっちゃ考えさせられるな…将軍って、カッコいいだけじゃダメなんだ

ミホ
ミホ

うん。時代を読む力と、引き際を知る覚悟。それが慶喜のすごさだね

さらに詳しく

徳川慶喜

征夷大将軍在任時の徳川慶喜

徳川慶喜とは?

徳川慶喜(とくがわ よしのぶ)は、江戸幕府第15代にして最後の将軍です。出自は水戸藩主・徳川斉昭の七男で、一橋家を継いだことから「一橋慶喜」とも呼ばれました。

幼いころから聡明で、漢学や兵学に秀でており、幕府内外から「将来のリーダー」として期待されていました。しかし、慶喜はそのような期待に応えることを常に好んでいたわけではなく、むしろ慎重かつ現実的な性格だったといわれています。

将軍になりたくなかった理由

慶喜が将軍職を固辞した背景には、以下のような事情がありました。

幕府の衰退

黒船来航以降、幕府は外交問題や国内の不満に揺れ、政権基盤が大きく崩れていたのです。 当時の将軍職は「名誉ある地位」ではなく、泥舟の船長のような立場でした。

責任の重さを理解していた

慶喜は、将軍という職務が単なる政治的ポストではなく、「国全体の命運を背負う役割」であることを理解していました。 そのため安易に引き受けることはせず、あくまで慎重な姿勢を貫きました。

周囲の期待との板挟み

水戸藩や一橋派の重臣たちは、「今こそ慶喜が立つべきだ」と強く推しました。 彼らは慶喜の政治力と改革精神に期待しており、幕府を立て直す最後の希望と見ていたのです。

将軍就任と大政奉還

慶喜は最終的に、1866年に第15代将軍に就任します。しかし、将軍となってわずか1年後の1867年10月14日、彼は自らの意思で朝廷に政権を返上します。これが有名な「大政奉還」です。

大政奉還によって、260年以上続いた武家政権は幕を閉じ、日本は天皇を中心とする新たな政治体制に移行します。
慶喜のこの行動は、無血での政権移譲という点で非常に意義深く、日本史の転換点とされています。

明治維新後の徳川慶喜

大政奉還後、旧幕府勢力は一部で鳥羽・伏見の戦いなどに突入しますが、慶喜自身はこれに積極的には関与せず、政治から完全に身を引きます

その後は静岡に移住し、趣味の写真撮影や狩猟を楽しみながら、静かな余生を送りました。やがて明治天皇とも和解し、貴族院議員として名誉を回復します。

1913年、慶喜は76歳で亡くなります。最後の将軍でありながら、日本近代化の立役者の一人として、その存在感は今も歴史に刻まれています

まとめ

徳川慶喜

徳川慶喜は将軍としての責任を重く受け止め、あえてその地位を避けようとしました。しかし幕府の未来を思い、最後は自ら将軍職を受け入れ、大政奉還という形で江戸時代の幕を引きました。彼の冷静な判断と平和的な行動は、まさに“知将”の名にふさわしいものでした。

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